水泳と死亡リスク減少

水泳は日本でも人気のあるスポーツで、参加人口は1000万人とも言われ、多くの方に楽しまれています。

水泳や、水中ウォーキング、アクアビクスは、ウォーキングやランニングに匹敵する、多くの健康上のメリットをもたらす運動です。

今回は、その水泳と健康について見ていきます。

水泳と男性の死亡リスク減少

少し古い報告ですが、Chase ら(2008)の研究では、水泳をする男性は、非活動的な男性に比べて、死亡リスクが50%ほど低いことがわかった、とされています。

詳しくご紹介します。

1971年から2003年に健康診断を受けた20~90歳の男性40,547人を対象に、Cox比例ハザード回帰法を用いて、身体活動の種類に応じた相対リスクを推定しました。その結果、543,330人年の観察期間中に合計3,386人の死亡が発生していました。


年齢、BMI、喫煙状況、アルコール摂取量、心血管疾患の家族歴で調整したところ、
スイマーは、座りがちな男性・ウォーキングする男性・ランニングする男性に比べて、全死亡リスクがそれぞれ53%,50%,49%低かったことがわかりました。背景の有病率を調整しても、この関係は変わりませんでした。

この研究の参加者における「スイマー」は、

“Swimmers were those who exclusively engaged in swimming”

と書いており、かなりマッチョなスイマーが想像されますが、

水泳と死亡リスク減少について検証した、大規模なデータを用いた貴重な研究です。

参考文献

  1. Centers for Disease Control and Prevention: Health Benefits of Water-based Exercise. https://www.cdc.gov/healthywater/swimming/swimmers/health_benefits_water_exercise.html
  2. Chase, Nancy L.; Sui, Xuemei; and Blair, Steven N. (2008) “Swimming and All-Cause Mortality Risk Compared With Running, Walking, and Sedentary Habits in Men,” International Journal of Aquatic Research and Education: Vol. 2 : No. 3,DOI: https://doi.org/10.25035/ijare.02.03.03